2012年04月23日

「プロジェクトX11」新たなる伝説世界へ

「プロジェクトX11」新たなる伝説世界へ NHKプロジェクトX制作班 2002年3月30日第1刷発行

《感想》
6.レーザー 光のメスで命を救え~倒産工場と脳外科医の闘い
1)第2のソニーを目指す
藤井照夫は、1958(昭和33)年、第2のソニーを目指して、義理の弟と妹と3人で日本科学工業を始めた。しかし、残念なことに1975年2度目の不渡りを出して倒産した。直接の原因は、取引先の父さんだった。オイルショック(1973年)を契機にする高度経済成長の終焉が其の背景にあった。しかし、藤井が目指したソニーには、技術のことも分り経営を仕切る盛田昭夫がいた。勿論、この藤井氏はそのことを知ってはいただろうが、現実にはこの盛田の役割をする人材を得ることができなかった、ということだったろう。世界で始めてのレーザーメスを開発した会社となっただろうに、真に残念なことだった。裏返すと、経営に弱い技術屋社長は、リスクの高い新製品開発のことをある程度諦めて、大企業の下請けをして安全な道をたどった方が良いだろう。
参考:「井深大年にースピリッツ」立石泰徳著 (「本当に役に立つ」ビジネス書をご紹介します!)
http://homepage2.nifty.com/businessbook/shohyo131134.html

2)中小企業が日本の新製品開発を担う
医療用器具は大量生産が見込めない小さな市場(少なくとも日本においては)である。そこでは、日本科学工業という中小企業が活躍した。しかし、大量生産が見込める電気釜、自動改札機の開発にも、中小企業が活躍した。電気釜の場合には東芝が下請けの会社に大半を任せた。自動改札機の場合には、大企業の電気会社が其の開発を忌避して、立石電気と言う、当時中程度の規模の会社が開発を担った。大企業は困難な開発に取り組むと言う気概を失いつつあったと言うべきだろう。
戦後間もなく魚群探知機を開発した長崎県の古野電気も、漁業の発展に革命的な寄与をしたが、口之津町の中小企業であった。
参考:
古野電気潟Tイト
http://www.furuno.co.jp/corporate/about/history.html
ウィキペディア「古野電気」

3)レーザーメスの歴史
レーザーメスというと、視力矯正手術で使われていることを聞いたことがある。視力を劇的に改善できる、という優れた方法だということだ。問題は保険が効かず治療費が20万円以上とかなり高いことだそうだ。
それで、眼科の治療機器としてのレーザーをネットで調べた。すると、次の記述が見つかった。そこでは、この本で述べられている脳外科に使われたレーザーメスのことが無視されている。NHKのプロジェクトXで取り上げられる前は、脳外科用のレーザーメスの事は世の中に知られていなかったのだろう。プロジェクトXは、このような知られざるすばらしい物語を発掘した番組で、改めてその素晴らしさを知った。
「日本には、1980年前後に眼科からレーザー医療が始まったと言われています。」
出典:「レーザーの原理と医療応用−形成外科・美容外科外科(山本クリニック・山本博昭氏)

4)偶然の積み重ねが脳外科用レーザーメスを誕生させた
@製造サイドの偶然
・持田製薬の社長が、レーザーメスに興味を持って調査を指示した。
・調査担当者酒井氏が大学の卒論でレーザーを研究した。
・酒井氏が、市場調査の一環として、東大脳外科の滝澤医師に話を聞きに行った。
Aユーザーサイドの偶然




《目次》
1.逆転 田舎工場 世界を制す〜クオーツ・革命の腕時計
1)信州・諏訪を、東洋のスイスに
2)世界初のクオーツ腕時計開発へ
3)若手技術者達の苦闘
4)世界を制したクオーツ技術

2.白鷺舞え 空前の解体工事〜姫路城・定年前の大仕事
1)倒壊寸前、傷だらけの名城
2)樹齢600年の大ヒノキを探せ
3)継ぎ合わされた心柱、よみがえった白鷺城

3.絶体絶命650人 決死の脱出劇〜土石流と闘った8時間
1)100年に一度の豪雨
2)650人孤立
3)迫り来る大土石流、そして崖は崩れ落ちた
4)生還!

4.巨大モグラ ドーバーを掘れ〜地下一筋・男達は国境を越えた
1)試行錯誤のトンネル掘削機開発
2)巨大な”鉄のモグラ”が姿を現した
3)行く手を阻むチョーク層の壁
4)英仏が海底で結ばれた日

5.リヒテルが愛した執念のピアノ
1)スタインウェインを越えろ
2)世界一のピアノを目指して、プロジェクト結成!
3)天災リヒテルとの出会い、ヤマハ世界へ羽ばたく

6.レーザー 光のメスで命を救え~倒産工場と脳外科医の闘い
1)光で結ばれた男達
2)悪戦苦闘
3)ブレークスルー
4)小さな命を救いたい
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2012年03月29日

「プロジェクトX10」NHK出版

「プロジェクトX10」 夢はるか、決戦への秘策 2003年2月20日第1刷発行
NHK「プロジェクトX」制作班

《感想》
今回の話は、すべて、日本人の文化・技術の底力を遺憾なく証明している。

1.広辞苑(昭和30年・1955年発売)
言葉は社会を作り上げる土台の一つである。言葉の乱れは、情報伝達に大きな支障をきたす。一方で、言葉は少しずつ変化する。社会が変化するにつれて新しい言葉が生まれ、一方で使われなくなった言葉が死語となる。辞典は、ある時代の流れの中のある時期の社会を反映したものとなる。辞書を作る作業とは、一人のリーダーと、多くの専門家が協力して作り上げるものだ、と言うことがこの物語でよく分った。

2.自動改札機(昭和42年・1967年大阪北千里駅で実用化開始)
自動改札機を開発して実用化した立石電気の中央研究所を、小生、20年ほど前に見学したことがある。当時は、この自動改札機についての知見がなかったので、其の説明を聞いた記憶が無い。が、この見学の記憶で、自動改札機を大変身近なものに感じた。
JRや地下鉄に乗るたびに、自動改札機の便利さをつくづく感じる。また、自動改札機の技術が、世界の経済システムの一翼を担っている様々なカードの先駆けをしたとは、感慨深い。日本の技術開発力の素晴らしさを改めて感じた。

3.魚群探知機(昭和24年・1949年開発)
魚群探知機を実用化したのが、長崎県の会社(古野電気)だと言うことを始めて知った。小生の生まれた長崎県からこのような偉大な会社が生まれたことを大変に嬉しく思う。漁業と言う、世界の食料の重要な一部を構成している産業に対して偉大な貢献をした会社に対して、ノーベル賞相当の賞を与えても良いのではなかろうか。

”魚群探知機の実用化は、産業革命な意義を持った。”
出典:長崎の水産業:長崎市の水産業の歴史
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/sakana/suisan/index05.html

長崎県口之津町には、世界初の魚群探知機の資料(古野電気梶jが保管されている。
出典:「たびながモバイル」(旅する長崎学)
http://tabinaga.jp/osusume/osusume_m.php?action=view&museum=1&mm_id=t1133114022214


1.父と息子 執念燃ゆ 大辞典〜30年・空前の言葉探し
1)最多数の人に役立つ辞書
2)辞書編集プロジェクト始動
3)言葉探しの日々
4)父と子の「広辞苑」

2.通勤ラッシュを退治せよ 〜世界初・自動改札機誕生
1)高度成長期と地獄の通勤ラッシュ
2)自動改札機プロジェクト指導
3)予期せぬ苦難の連続
4)自動改札機はマン・マシーンでなければならない

3.兄弟10人 海の革命劇〜魚群探知機・ドンビリ船の奇跡
1)海の中の魚が見たい
2)手探りの開発と悪戦苦闘の海上実験
3)起死回生、ドンビリ船の大逆転

4.炎のアラビア〜巨大油田に挑んだ技術者達
1)日本の血脈、石油
2)一発必中の賭け
3)「噴油、アラビア」
4)新たな血脈を探せ
5)メジャーも投げ出した油田
6)極秘の採油実験

5.鉄の男達 逆況からの日本一 〜伝説の釜石ラグビー部
1)仕事とラグビーの両立を求めて
2)新日本製鉄の誕生
3)2度目の日本一決戦
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2012年03月24日

「物語り囲碁英傑伝」田村竜騎兵著

「物語り囲碁英傑伝」田村竜騎兵著 MYCOM囲碁文庫シリーズ 2005年6月27日第1刷発行

《感想》
最近囲碁の趣味を再開したので、勉強の一貫として囲碁物語を読むことにした。
人間くさい囲碁の世界の歴史が、小説風に興味深く書かれていたので、楽しく読んだ。ただ、囲碁の用語で分らない言葉が幾つかあってこれから調べてみたい。

出典:ウィキペディア「囲碁の手合い割り」
<先相先>(階級差:1)3局一組として考え、下位者が3局のうち2局で先番、1局で後手番とする。
<定先>(階級差2) 棋力に僅かな差がある場合用いられる方式。置石が無しで行われる対局。下手が常に黒石を持ち、コミのハンディを上手が持つ。
<先二先>(階級差3)下位者が3局のうち2局を先手、1局を2子番とする。
<六番手直り>どちらかが6番勝ち越すと、手合いが変わる。
   《出典》「対局日誌 
        http://blog.goo.ne.jp/kkm3/e/ddd1862449bcbca9bac162274e11270f

《目次》
はしがき
異国に奮戦す「伴小勝雄」
両コウにかせう一つ「法信坊と刑部坊」
巨人「本因坊算砂」
碁打ちの心意気「本因坊算悦」
一日の長あり「安井算知」
これぞ真の棋聖「本因坊道策」
碁好きの殿様「牧野成貞」
本気で打ってもよろしいか「本因坊道知」
筆はわざわいのもと「仙朴と哲斎」
面目丸つぶれ「井上春碩因碩」
口も八町、手も八町「本因坊察元」
形勢いかがなりや「外山算節」
淡路の化け物「四宮米蔵」
血闘「本因坊丈和と赤星因徹」
違約に死を決す「林元美」
天下の異彩「幻庵因碩」
いきな江戸っ子「太田雄蔵」
酒は飲むべし「伊藤松和」
幕末悲運の名手「本因坊秀和」
しろうと日本一「関山仙太夫」
負けたって妙手は妙手「勝田栄輔」
大才惜しむべし「本因坊秀策」
秀策追慕に生きる「石谷広策」
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2012年03月23日

「広がる『友人知』の世界」フェイスブック

「広がる『友人知』の世界」フェイスブック 日経ビジネス 2011-10-17 特集フェイスブックが描く未来 No.2が語るビジョン

《動機》
日本でも拡大しつつあるフェイスブックとはどのようなものか、経営者へのインタビュー記事を読んでみた。


まえがき
フェイスブックを社内ナンバー2の立場で支えているシェリル・サンドバーグCOO《最高執行責任者)が、日本のメディアでは始めて、本誌のインタビューに応じた。フェイスブックの今後の戦略について話を聞いた。

A 今、インターネットは変革期を迎えています。『情報主体のウェブ』の世界から『ソーシャルウェブ』の世界』へと転換しつつあります。
  ソーシャルウェブの世界は、実際に身近に起きている出来事をシェアしあう世界なのです。
  情報主体のウェブは「集合知(群集の叡智)」と言う考え方に基づいています。これは依然として重要な考え方です。

  ※「情報主体のウェブ」の世界から「ソーシャルウェブ」の世界へと転換しつつある、というのは少々言いすぎだと思う。
   転換というと、すべて或いは殆ど置き換わると言う意味に理解されるが、実際には、「情報主体のウェブ」と「ソーシャルウェブ」とが並行して利用される、と言うことだと思う。個人の生活でどちらがより多くの時間を占めるか?

A 今後、更に重要になるのは「友人知(wisdom of friends)」です。
  「集合知」から「友人知」への移行とは、私達がどうやって情報を収集するのかと言う根本的な原理が変わってきていると言うことを示しています。
    なぜか?理由は簡単です。人は元来自然に状況を受入れながら暮しているからです。街角やオフィスで友達を見かけたら、何か特別な質問を投げかけるのではなく『元気?』と聞くでしょう。これと同じことで、人が何か特定のことを探し出そうとする時間は生活のほんの一部です。実際は周囲の人々と自然にコミュニケーションをすることに、殆どの時間を費やしています。フェイスブックの利用は、現実の世界で周囲と反応しあうことと同じです。意識的にやる行為ではないのです。

  ※「集合知」よりも「友人知」の方が優れている点は、幾つかある。
   1.信頼性がより高い
     「集合知」には、信頼できない情報も数多く含まれている。例えば、「Yahoo質問箱」という、読者の質問に対して他の読者が答えるサイトがある。其の答えには信頼できないものも含まれているだろう。そして、信頼できるかどうかを判定する人がいない。ベストアンサーと表示がしてあるが、本当に正しい回答なのかは不明である。其の回答を正しいものと判断するかどうかは、質問者に掛かっている。誰も責任を取れない。

   2.回答者の素性が分る
   それに対して「友人知」は、回答する人の素性が知れており、質問する人は回答者の専門性や誠実性を考慮して其の回答を正しいかどうか判断する。つまり、質問者は、得られた回答の信頼性をある程度判断できる。回答する人は、場合によっては友人の又友人かもしれないが、信頼性の判断は間に解した友人からある程度の確率で得ることができる。

   3.昔は「友人知」が主体
    現在のように情報が発達していなかった時代には、情報の多くは「友人知」であった。
   この「友人知」をウェブ上で進化させようというのが、フェイスブックの意図する所になる。

   「フェイスブックの利用は、現実の世界で周囲と反応しあうことと同じです。意識的にやる行為ではないのです。」
   ※意識的にやる行為ではない、というのは?が付く。毎日、フェイスブックで現実の生活のようにコミュニケーションを行うことは、難しい。やはり、対面でのコミュニケーションの方が、表情などのボディランゲージが読み取れるので、フェイスブックよりも優れている。
    コミュニケーションにおいては、言語だけでなくボディランゲージも重要。

  
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2012年03月16日

卓球の素振り改善

《動機》
公民館の卓球のクラブで練習をしているが、素振りの練習方法を少し変えたら、以前と見違えるように気持ちよく威力のあるボールを打つことが出来るようになった。自分自身驚いた。また、トンネルから抜ける先が見えたような気がして嬉しかった。が、残念ながら打球にまだ安定性に欠けている。乱打のときには、出来るだけ相手が打ち易いところへ返球するのが礼儀だが、突然相手が取りづらいところへボールが行ってしまう。
そこで、素振りの練習方法を精密にして、安定性のあるボールを打てるようにしたい。

(相手のボールの特性)
相手のボールの特性は、勿論、アナログ的で厳密には分類できない。しかし、素振りの練習をするにあたり大まかな分類をして、其の分類に応じたラケットの面の傾きと腕の振り方をシミュレーションして、シャドープレーを行う。
勿論、腕の振り方には、速度、加速度、ストローク長さの3つの要因がある。だが、そこまでシミュレーションすると大変な数の場合数になってしまうので、とりあえず、ゆっくりとした動きだけに留める。

1.平面横方向の位置
1)自分の肩辺り
2)通常構えている位置
3)右腕を一杯の伸ばした位置

2.ボールの高さ
1)頭の高さ
2)通常の高さ
3)低い(卓球台の高さ)

 ※ボールの飛んで来る位置は、フォアとバックで夫々9点あると考える。

3.ボールの速さとラケット面の傾き
1)遅い ラケット面をかなり立てる。
2)通常 ラケット面を立てる。(45度と言われている)
3)速い(ドライブ系が多い) ラケット面を寝かせる。

 ※ラケット面の傾きの出し方
ラケット面の傾きは、手首を回転させて調整するよりも、手首は一定の角度にしておいて、ラケットの角度を調整するほうが良さそうだ。その方が腕の振りが楽にできるような感じがする。特に、バックで打球する時に指でもってラケットの角度を変える方が楽にできるような感じがする。まだ実際の練習で確かめてはいないが。4月にまた練習があるので、実際に確かめてみたい。

しかし、次のブログには、フォアとバックの切り替えをすばやく出来るようにするためには、フォアとバックのラケットの握り方はできるだけ同じにする方が良い、と書かれている。
しかし、テニスの場合には、ラケットを回転させてフォアとバックのグリップの仕方を変える。卓球の場合には、テニスよりも打球の間隔が短いので、このような切り替えは難しいだろうか? 実際にやってみて結論を出したい。

出典:「卓球の基本」卓救神のブログ(卓球上達のブログ)
http://yaplog.jp/new-takkyujin/category_2/

(バックもフォアもダメ)
3月18日の今日、近くの体育館で友人と卓球の練習をした。練習に行く前に、上記のような考えで素振りの練習をした。そこで、どれ位素振りの効果が出るか大変楽しみで、わくわくして元気良く体育館へ出かけた。
しかし、実際にボールを打ってみると、フォアもバックもメタメタ。試合形式の練習では、20ゲーム位の中で、3,4ゲームしか勝てなかった。殆どの原因はバックのミスで、時々はフォアのミスもあった。

(ゆっくりと素振りをしよう)
反省してみると、素振りの練習が、始める前はゆっくりとラケットを動かそうと考えていたのに、いざ素振りを始めてみると、ついついラケットを早く動かしてしまっていた。今日の体育館での練習を振り返ってみると、打球した殆どが遅い球であった。だから、素振りをする時には、8割位が遅い球を想定したラケットの動きをすることが肝要だ、と大いに反省した。
  
posted by 平塚寅彦 at 18:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 7 芸術・スポーツ・娯楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月13日

「未曾有と想定外」畑村洋太郎著

「未曾有と想定外」畑村洋太郎著 講談社現代新書2117 2011年7月20日第一冊発行

《動機》
今回の福島原発事故について、マスコミは人災だと報道していた。しかし、未曾有の津波に襲われて、津波高さが想定外だったのだから、人災というよりは天災ではなかろうか、と小生は思っていた。人災とマスコミが言うのは、原発事故の損害賠償を東電から引き出すための歌い文句ではなかろうか、等と考えていた。そこで、人災と呼べるかどうかを、この本で確かめてみたいと思った。

《感想》
(未曾有だったのか)
未曾有と言う言葉は「歴史上いまだかってないこと」と言う意味で使われている。果たして今回の津波と同程度の津波は過去の歴史上存在しなかったのか? 否そうではない。西暦869年の「貞観地震」の時には、三陸沿岸から東北地方南部沿岸に大津波が押し寄せたと言う記録がある。(東電もこの大津波のことを知っていたとのこと。)従って、今回の津波は決して「未曾有」のものではなかった。マスコミが使っていた「未曾有の津波」という表現は、間違いである、と畑村氏はこの本で述べている。「未曾有の津波」と言う表現は、政府、自治体が大津波に対して有効な手立てを行ってこなかったことに対して、其の言い訳のように聞こえる。

※今回の津波は、未曾有の津波ではなかったことがこの本を読んではっきりと理解できた。今回の津波は「未曾有」のものではなかったことを、地震学者はもっと明確にマスコミに対して表明すべきだったと思う。マスコミも、「未曾有の津波、未曾有の津波災害」と言う言葉を使わないで、過去の津波災害と今回の津波とを比較した情報を提供すべきだった。一方で、このような深刻な原発事故は確かに、日本の歴史上一度も無かったので、「未曾有の原発事故」と言う表現は正しいのだけれど。

(「想定外」は免罪符か?)
「想定外」の津波が来たので原発事故が起きてしまいました、「だから自分達はわるくありません」と東電の人々は主張しているかのように聞こえていた。
確かに、原発の運営は、国が安全基準を定めて、東電はそれに従ってきちんと安全を守る仕事をしてきた。国が定めた?安全基準(津波の高さ)を越えた津波によって原発事故がおきたのだから、自分達(東電)は原発事故に対して責任は無い、と東電は言っているように聞こえる。
しかし、津波の想定高さを決めるのは、国ではなくあくまでも当事者である東電の仕事であり、責任であると思う。過去に起きた最大津波よりも小さな津波しか想定しなかったのは、想定した東電が悪かったと言うことになる。「想定外の津波が襲ってきたので事故が発生した。」のではなく、「津波高さの想定が甘かったために、事故が起きてしまった。」と言うのが正しい言い方となろう。

「想定外の津波」と東電の人が発言したら、何故想定できなかった方かを問わなければならない。歴史上今回の津波と同程度の津波が発生していなかったのであれば、「想定できなかった」という発言は正しい。しかし、実際には「貞観津波」という津波が存在していて、東電の関係者もそのことを知っていた。であれば、東電は「想定できなかった」のではなく、意図して「想定しなかった」と言うことになる。


p18
『人は忘れる』と言う大原則がある
人間が忘れっぽいと言う性質を持っていることは、『前向きに生きるための一つの知恵』と言うことができる。しかし、地震や津波の災害に対しては、忘れると言う特性はマイナス要因となってしまう。大地震や大津波の発生周期は、社会がそのことを忘れてしまう300年を越える。社会が忘れる、という特性に反して忘れない努力をすることが必要となる。

※この努力の一つとして、津波博物館を、最低限でも、東北各県に1箇所ずつ建設してはどうか。小中学生が、必ず一度はこの博物館を見学すると言う仕組みを作れば、社会として大津波のことを忘れてしまわないと思う。

※組織・個人として忘れなかった例
釜石市の「津波てんでんこ」がある。
出典:ウィキペディア「津波てんでんこ」
この「津波てんでんこ」は大変に興味深い。災害弱者を放置してしまう、との批判があったが、現実には多くの命を救った、貴重な伝承であった。逆に考えると、「津波てんでこ」を前提として、災害弱者でも津波から逃げることが出来るような有効な手段を準備すると政策が実施されていなかった、と言える。この本で畑村洋太郎氏が指摘しているように、人命を守る重要な政策ではあるが数百年も以前の大災害が社会から忘れ去られていた、ということの具体例ということになった。

※社会として大地震・津波を忘れないためには?
アメリカでは、2001年の同時多発テロ事件を契機にして、2002年11月にテロリストの攻撃と自然災害から国土の安全を守るための「アメリカ合衆国国土安全保障省」が設立された。22の国内組織を統合して、総勢18万人(現在は20万人以上)の職員を有する巨大組織が設立された。
出典:ウィキペディア「アメリカが秀国国土安全保障省」

日本では、内閣府匿名担当大臣(防災担当)が内閣府に存在する。
出典:ウィキペディア「内閣府匿名担当大臣(防災担当)

しかしながら、実際には自然災害から国民を守る具体的な仕事が、国土交通省、厚生労働省、文部科学省などに分散されて、統一した行政が行われていないことが危惧される。今回の東日本大震災を契機として、アメリカに倣って国土安全保障省を創設するのが望ましい。今回明確になった巨大地震・津波から有効に込民・国土を守るためには、良く言われる「省庁の縦割り行政の愚」を防ぐ必要がある。日本の行政は、明治の昔から主として「手段」を軸に構成されていた(内務省だけは例外?)。防災と言う目的を軸とした行政組織を作ると、従来の「手段」組織とバッティングして様々な問題が発生するだろうが、今後発生するであろう大規模地震・津波に対して有効な政策を実行に移すためには、強力な組織力を持った、防災と言う「目的」組織が是非とも必要だ。


《目次》
はじめに
第1章 津波と未曾有
「未曾有」と言う言葉/『人は忘れる』と言う大原則がある/『失敗学』と『津波」/
津波を物理現象としてみる/津波に『対抗する』のか『備える』のか/対抗思想の背景にあるもの/
田老地区の2つの防潮堤/先陣の智恵/防波堤の効果/
備えて逃げる/逃げなかった高齢者と逃げられなかった介護者/「情」と『職業倫理』が判断を狂わせる/
横の繋がりで助け合う/奥尻島の現状に学ぶ/信玄堤に見る「いなす」「すかす」思想/
それでも人は海岸に住む/記憶を少しでもとどめるために

第2章 原発と想定外
『原子力村』の御粗末振り/『想定外』と言う言葉/『想定』について考える/
コンプライアンスの意図的誤訳/『見たくないものは見えない』「聞きたくないことは聞こえない/
過去の失敗に学べなかった東電/津波のデータも『見たくないものは見えない」/
組織事故という考え方/絶対安全の虚構/批判への違和感/
事故調査についての考え方/忘れ去られた技術の系譜/地震国日本における想定/
原発は何故必要だったのか/技術の成熟には失敗の積み重ねが必要/本質安全で設計できるか/
リスクとベネフィット/これからの選択

第3章 日本で生きるということ
自然災害は日本の必然/日本は北と西に分断されている/崩れを止める人々/
災害を減らすための日々の努力/満濃池以来のダム決壊について思ったこと/「八ツ場ダム」「スーパー堤防」について考える/
首都圏水没の可能性/歴史は繰り返す、自然災害もまた/日本人を日本人たら占めてきたもの

おわりに

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2012年03月12日

「健康ストレッチ&エクササイズ」小山勝弘著

「健康ストレッチ&エクササイズ」小山勝弘著 椛蜷書店発行 2010年2月7日初版発行

《感想》
目次を見ても解るように、日常生活の中で、ちょっと工夫をすれば、筋力をつけたりストレッチが簡単にできることが多いのに驚かされた。しかし、これだけたくさんのことを一度に覚えて始めることは、大変難しいだろう。そこで、気に入った動作を、3-5種類選んで毎日の生活に取り入れ、この動作が習慣となったら、次の幾つかの動作を取り入れる、と言うような、漸進的なやり方を行った方が、長続きするのではないかと思った。自分自身では、1日に2時間位時間を割いて、筋トレとストレッチを、また、1週間に3,4回は30分程度のジョギングをしているので、この本のエクササイズの代替となると思っている。

 大変参考になったのは、「アンチエイジング術」(p56)である。

1.長寿遺伝子を活性化させる
1)サーチェイン遺伝子
 食事のカロリーを制限すると、この長寿遺伝子が活性化される。 
  ※どの程度摂取カロリーを減らせば良いかまだ定説が無いのか、明示されていないので、難しい。
2)NAD補酵素
 長寿遺伝子を上手く働かせる役割を持つNAD補酵素を、食物から摂取する。
 マイタケ、タカコ、カツオ に多く含まれている。
3)適度な運動
 長寿遺伝子の活性化に繋がる。
  ※適度とは?

2.成長ホルモンの分泌を促す
0)成長ホルモンの効用
  ・筋肉や骨を作る同化作用がある。
  ・成長促進や筋肉増強、免疫力の向上、老化防止
1)運動で成長ホルモン
 何歳になっても運動をすることで分泌が高められる。
  ※老齢になっても成長ホルモンの分泌が向上するとは、本当に驚いた。

2)睡眠で成長ホルモン
 ・成長ホルモンは、寝てから早い段階で分泌される。
 ・なるべく毎日の寝る時間を決め、規則正しい睡眠のリズムを作る。

3)食事で成長ホルモン
 ・肉などの動物性たんぱく質中心の食事を取る。(炭水化物中心では、成長ホルモンは抑制される。)
 ・しっかり空腹を感じてから食事をする。
※定量的なデータが書かれていないので、漠然としているが、心掛けで出来ることは実行したい。

3.抗酸化物質を摂る
1)活性酸素が老化を進める
 ・活性酸素は、ストレス、喫煙でなどで発生する。

2)抗酸化物質で活性酸素を防ぐ
 ・緑黄色野菜(ビタミンA・C)、ビタミンE(魚類、大豆、ゴマ)、タンニン、
 ・レスベラトロール(ワイン、葡萄)

4.インスリンの分泌を抑制する
 ・朝食には、納豆やオクラなど、ねばねば成分を含んだものを食べる。
  ※小生は納豆を朝食に食べているので、良かった。
 ・食物繊維を摂る
※結局、様々な食品をバランスよく食べることが抗酸化物質を摂ることになり、老化を防ぐことになる、のではないか?



《目次》
1章 生活ストレッチ&エクササイズ
1.ちょっと隙間時間で
・丸めた靴下を足で"ぐるり1周"
・足の裏を使ってタオルつまみ上げ
・目をつぶってズボンと靴下を履く
・足の指と足の裏で新聞紙を丸めて広げて
・お尻で前へ後ろへ移動
・おへそを意識して座ってみる
・テレビを見ながらでOK! 足を”かるーく"上げ下ろし
・膝から下を開いて閉じて
・太腿にボールを挟んで左右から押し合い対決!
・座って片足上げ下ろし
・椅子に座って両足を上下
・股関節をしっかり曲げて階段を上がる、降りる
・爪先立ちで階段を上がる
・階段にかけた足にグーっと体重を掛ける

2.家事をしながら
・洗物をしながら後ろへキック
・洗物をしながら蟹股で重心を上げ下げ
・掃除機を掛けながら前や後ろへ大きく踏み出す
・足でスイスイ雑巾掛け
・洗濯物を干す時は膝の曲げ伸ばしを意識

3.入浴しながら
・手のひらで浴槽の湯を押す&持ち上げる
・浴槽で膝の曲げ伸ばし
・浴槽で腕を開いて閉じて
・浴槽につかりながら腕を大きく開いて閉じて
・浴槽で桶を押して弾いて
・御風呂で簡単ストレッチ
4.洗面所で
・歯磨きをしながら膝の曲げ伸ばし
・片足たちは磨き

5.布団の中で
・寝たまま片足キック
・仰向けで下半身ストレッチ
・寝たまま腰の上げ下ろし

6.外出先で
・乗り物の中で爪先立ち
・座席やベンチで小さく体を丸める

2章 基本のエクササイズ
1.おなかの筋力維持
・おへそをのぞくように腹筋運動
・椅子に座って片足上げ下ろし

2.胸の筋力維持
・膝をついて斜め腕立て伏せ

3.背中の筋力維持
・4つんばいで片手上げ下ろし
・4つんばいで片足上げ下ろし

4.足の筋力維持
・椅子に座り方あり曲げ伸ばし
・腕を伸ばして椅子から立ち上がり

5.お尻の筋力維持
・椅子につかまり足を後ろへ上げる
・椅子につかまり足を世K所に上げる
・寝たまま腰の上げ下ろし

6.バランス維持 転倒予防
・目を開いたまま片足立ち
・椅子に座って、ゆっくり爪先あげ&かかと上げ
・足をついで横歩き
・前、横、後ろ、中心へ! 片足で"半円"ステップ
・能役者のように中腰歩き

3章 若さを保つエクササイズ 高齢期まで時間のある人に向けた筋力トレーニング
1.おなかの筋力維持
・足首を掴むつもりで上半身を"まるーく"する
・胸を張って、モモあげ運動

2.胸の筋力維持
・膝を床について腕立て伏せ

3.背中の筋力維持
・4つんばいで手足の上げ下ろし
・上半身をゆっくり上げてアザラシのポーズ

4.足の筋力維持
・椅子につかまって体を沈める
・蟹股で膝の曲げ伸ばし

5.お尻の筋力維持
・4つんばいで後ろへキック
・寝たまま腰の上げ下ろし
・横になって片足上げ

6.バランス維持 転倒予防
・線上をまっすぐに歩く
・一歩踏み出して体重を掛ける
・爪先&かかと上げ下ろし
・足を交差させて横歩き
・横向きで階段上がり下がり

御気軽ウォーキングの進め 風景を見ながら、散歩感覚で!
・服装・準備するもの
・気持ちよく続けるには
・正しいフォーム
・強弱の調整

ゆっくり年齢を重ねるためのアンチエイジング術
1 これからは平均寿命ではなく、健康寿命を意識して伸ばす時代 【健康寿命に注目】
2 「生活の中で体を動かす」『しっかり食べて恰幅翌』で老化抑制 【運動器を使用する】
3.成長ホルモンの分泌を促し、若返り&健康維持を! 【成長ホルモンを分泌させる】
4.身近にある危険! 転倒して骨折は、寝たきりの主要因 【転倒・骨折を予防する】
5.食事からアンチエイジングは『降参か物質』を意識する 【抗酸化物質を摂る インスリンの分泌抑制】
6.老いは口から始まる! 口腔ケアは最重要課題
6.
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2012年03月06日

地震発生源の種類

《動機》
東日本大震災の後、地震や津波に関する情報に気をつけるようになった。まず、「Newtonニュートン」の地震に関する特集を読み、次にネットのウィキペディア「地震」を読んで、「Newtonニュートン」の説明を補った。
※地震の発生周期を考える時、地震の種類別に発生周期を考えた方が、より正確な周期が得られるのでは、と思った。

《出典1》 Newtonニュートン 2011年11月 
p76 第2特集 「なぜ地震は起きるのか?」 

「対流で沈むプレートが大地震を引き起こす」
地震を震源の種類で分類すると次のようになる。

1.内陸地殻内地震
  大陸プレート内に断層のずれが生じて発生する。

2.プレート境界型地震(海溝型)
  大陸プレートの端は、その下に沈み込む海洋プレートに引きずられて下にたわんで行く。
  このたわみが限度を越えると、一気に跳ね上がり、地震を発生させる。

3.アウターライズ地震
  海溝の沖合いで、プレートが両側に引っ張られることによってアウターライズ地震が発生する。
  ※「プレートが両側に引っ張られる」と言うのは、どうも間違いのようだ。両側に引っ張られる現象は、ウィキペディア「発散型境界」によると、「発散型境界」では、プレートが両側に引っ張られると言う現象が起きる。

4.スラブ内地震
  大陸プレートの下に沈み込んだ海洋プレート内で「スラブ内地震」が発生する。

※(聞きなれない言葉の説明)
1.「内陸地殻」
  「地殻」とは、地表の800度以下の岩石層。厚さ:海洋底約5km、大陸約50km(p72)
  「内陸」とは、「海洋」との対比で、「大陸」と同義?
    (注)プレートとの関係(p75)
    「プレート」=「地殻」+「マントル最上部(冷えて固くなったマントル)」
  ※すべての地震が地殻内で発生するとされているので、「内陸地殻内」と殊更に呼ぶ必要は無いと思う。
   「大陸プレート地震」と呼んだ方が分り易い。

2.「アウターライズ」
  「海溝上縁隆起帯」のこと。これから沈み込む歪みが貯まって改定が隆起している場所。
  海溝やトラフよりも沖合いで発生している隆起部分。
  
3.「スラブ」
  地下(※マントルの下)へ沈み込んだプレート部分。(p72)
  出典:「スラブ」(ウィキペディア)



《出典2》 ウィキペディア「地震」
出典1のニュートンには、地球の断面図が載っていて地震の発生部位が解り易く欠かれていた。しかし、残念ながら、このウィキペディア「地震」の説明の中にある地震種類の方が分りやすくて妥当な分類だと思った。

1.地震発生のメカニズム
 1)プレート
   ・地球の表層は、プレートと呼ばれる固い板のような岩盤で出来ている。
   ・このプレートは移動し、プレート同士で押し合いを続けている。
   ・この押し合いによって、プレートに歪が蓄積する。
   ・この歪が局所的に高まり発生した応力が、岩盤のせん断破壊強度を超えると、断層が生じたり、或いは既存の断層が動いてしまう。この岩盤の動きによって地殻が振動することが地震であると考えられている。

 2)断層
   ・断層は、過去の地震で生じた古傷である。
   ・断層部には、地殻に対する応力が集中しやすい。
   ・断層では、繰り返し同じような周期(再来周期)で地震が発生する。
   ・断層の大きさは、数百mから数千kmまである。
   ・断層には、古断層と活断層がある。
     ・古断層  数億年から数百万年前まで動いていて現在は動いていないような断層
            地震を起こさない。(一部例外もあるので注意が必要。)
     ・活断層  現在も動いている断層
            日本だけでも約2,000の活断層がある。
    (断層による地震の事例)
     ・関東地震(1923年)
         小田原直下付近から破壊が始まり、破壊は房総半島の端まで至った。
     ・兵庫県南部地震
         明石海峡の地下17kmで始まった破壊は、北東の神戸市から南西の淡路島中部にまで拡大し、活断層が形成された。

2.地震の種類
 どの地殻構造で起きるかによって地震は3種類に分けられる。夫々呼び方は複数ある。
 1)プレート境界で発生する地震
  ・呼び方 @プレート間地震 Aプレート境界型地震 B海溝型地震
  ・さらに細分すると
    @海溝型地震
    A衝突型教会で起きる地震
    B発散方境界で起きる地震
    Cトランスフォーム断層で起きる地震
         (注)トランスフォーム断層:プレート境界において生成される横ずれ状の断層

 2)大陸プレートで起きる地震
  ・呼び方  @内陸地殻内地震 A大陸プレート内地震 B断層型地震

 3)海洋プレートで起きる地震
  ・呼び方  @海洋プレート内地震 Aスラブ内地震 Bプレート内地震
  ・更に細分化すると
    @沈み込む海洋プレート内地震
    A沈み込んだ海洋プレート内地震(深発地震)
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2012年03月04日

「スマートフォンを支える技術」

「Androidスマートフォンを支える技術」 日経パソコン2011年5.9 
特集2 Anroidスマートフォンを支える技術 p50

《動機》
最近のIT技術の革新は、特に、スマートフォンの市場拡大に現れていると思う。
スマートフォンは、個人利用の携帯電話端末だと思っていたが、この記事を読んで、様々な業務への利用が広がっていることを知って、IT革命の一翼を担う機器だと思った。


《目次》(小生が勝手に作ったもの)
News & Trend  「企業にスマートフォン活用の旋風」 
<まえがき>(p16)
セキュリティ対応が進み、パソコンとは異なる分野で浸透している。
1.業務の効率化
  メール、会議のペーパーレス化、プレゼンテーション、顧客管理など業務システム
2.顧客サービス向上
  製品の紹介、店舗や施設の案内、待ち時間に電子書籍
3.専用アプリの配布
  カタログ配布、製品情報への誘導、サービスの利便性向上

<本論>
1.紛失したらデータ消去
  ・製薬メーカーファイザーが4700台導入
  ・紛失したり、不正に改造された時には、遠隔操作で内容を消去できる。
2.1100店の報告を集約
  ・カメラ販売店のキタムラ
  ・全国1100点の情報集約に活用している。
3.接客しながら在庫を確認
  ・紳士服・婦人服・雑貨販売のユナイテッドアローズ
  ・接客しながら、在庫の製品を客へ提示できる。
4.スマホ搭載タクシー登場
 1)名古屋を中心に展開するフジタタクシーグループ
  ・自動配車システムの代用器としてスマホを活用
  ・2011年夏には500台で本格導入を計画している
 2)日本交通
  ・簡単にタクシーを呼べるソフトを無料配布している。

(スマートフォンの特徴:個人的感想)
スマートフォンの特徴は、実際に取り扱ってみて、次の点だと思う。
1.パソコンに比べて小型なので、低価格、ポータブル、省スペース。
2.小さな画面を補うことができる、アナログ的部分拡大機能がある。
 この機能は、通常の携帯電話の拡大機能と比べると良く分る。これまでの携帯電話では、ボタンを幾つか押して拡大縮小をするが、どうも操作がやりづらい。それに比べ、スマートフォンは、指で画面を触って楽々拡大縮小、画面の変更ができる。


特集2 Androidスマートフォンを支える技術
まえがき
1.日本国内で出荷台数が伸びている
  2009年度 376万台、2010年度 716万台と約2倍に延びた。
  ※2011年度(上期)1,004万台(前年比4.5倍)
 出典:マイナビニュース「2011年度上期スマートフォン出荷台数、約8割がAndroid端末」
     http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows-vista/Reset-Internet-Explorer-7-settings

2.iPhoneよりもAndroidの方が出荷台数が伸びている
  2009年第4四半期 Android 8.7%    iPhone 16.3%
  2010年第4四半期 Android 23.9%   iPhone 16%
   iPhoneはアップル一社で開発していて、Androidは、オープンソースなので、世界中の様々なメーカーが開発している。
   Androidは、次の構造となっている。
   1) OS: Linuxカーネル(中核プログラム)
   2) 仮想マシン: Dalvic(統一されている)
         (注)仮想マシンとは、昔、通常2つの汎用機の間には互換性が無いので、古い汎用機用に作られた高価なアプリケーションプログラムを新しい汎用機でも使えるようにするため、「仮想マシン環境」と言う仕組みを作った。
       現在は、ソフト資産継承よりも、マシン台数の削減のために仮想マシンが使われている。ハード及び運用コストの増加を抑えるために使われている。
        (出典)エンタープライズ「仮想マシンとは何か?」
         http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0612/15/news007.html
   3) アプリ: Java言語で統一されている
     (注)Windowsは、Java、Visual Basic、NET、C言語など多岐に渡るプログラム言語が使われている。
   
   そのため、アプリの数がAndroidの方が格段に多い。このことが、出荷台数に反映しているのだろう。

3.Androidの技術進化
  Androidはバージョンアップの間隔がWindowsよりもずっと短い。
  ※Androidは、開発するメーカーが多いため。Windowsはアップル一社だけ。
 1)Android1.5 2009年4月発表
   ・ソフトウェアキーボードを搭載
   ・MPEG-4形式及び3GP形式の動画再生に対応
 2)Android1.6 2009年9月発表
   ・WVGAの解像度に対応
   ・検索機能の強化
 3)Android2.1 2010年1月発表
   ・画面描画のハードウェア処理に対応(処理の高速化)
   ・カメラ機能を拡充
   ・Bluetooth2.1に対応
 4)Android2.2 2010年5月発表
   ・仮想マシンのアプリの処理効率を高める(処理の高速化)
   ・Flash10.1に対応 注)動画閲覧
 5)Android2.3 2010年12月発表
   ・仮想マシンのメモリ管理機能の改善
   ・ユーザーインターフェースを一部改良
   ・近距離無線通信規格「NFC」に対応

4.ARM系CPUが市場を席巻
 1)SoC(system on a chip)
   スマートフォンは、パソコンと比べて小さいので、CPU、通信、メモリー、グラフィックス・音声処理などを一つのチップに凝縮したSoCを使っている。
   また、SoCの消費電力は、モバイルパソコン向けCPUの10分の一程度。
 2)ARM系とは
    英ARM社SoC製造のライセンスを受けたメーカーが製造したもの。
 3)ARM系CPUは、最も普及しているCPU
    任店d-のDSシリーズやiPod、カーナビ、HDDの制御チップなどに使われている。

    
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2012年03月03日

「東日本大震災の教訓」村井俊治著

「東日本大震災の教訓」村井俊治著 褐テ今書院 2011年8月10日第1刷発行 

《感想》
昨年の東日本大震災によって日本では甚大な被害を受けた。この甚大な被害を無駄にせず、将来発生するであろう津波に適切に対応できるように、この津波災害で得られた教訓を後世に残す本としてこの本を読み始めた。
読み終わって、この本は、今後大きな津波が心配される地域の人々が教訓として読むべき本だと思った。具体的な事例が豊富に記述されていて、津波の恐ろしさと避難の重要性がひしひしと感じられた。
更に、各事例について著者の44の教訓が導き出されている。国や自治体が今後推進すべき事柄、個人が反省して見直すべき事柄などが教訓として指摘されている。
このブログが、この本を読む人が増える契機になれば嬉しい。また、このような本が今後続々と発刊されることを期待したい。

《参考》
体験談をまとめたサイトも見つかった。
http://weathernews.com/ja/nc/press/2011/pdf/20110908_2.pdf

《参考》
ウィキペディア「東北地方太平洋沖地震」

今後の津波への対応を考えるために、津波に関するデータと教訓を集約して教科書風にまとめてみた。

1.津波の記録
 東北地方の太平洋沿岸に関する過去の大きな津波の記録は次の通り。
1)平成津波
 @発生時刻・地震の大きさ・震源 (pB はじめに)
   発生時刻:3月11日午後2時46分 マグニチュード9.0 震源:牡鹿半島の東南東130km、  
 A津波 釜石の沖合い15kmで(港湾空港技術研究所のGPS波浪計)
  ・第1波 3時12分 6.6m
  ・第2波 3時45分頃 2m
  ・第3波 4時30分頃 1.2m
  ・第4波 5時55分
  ・第5波 6時45分 1.6m
  ・第6波 7時40分 1.2m
  ・第7波 8時40分 1m
  ※このように多数回の津波が発生した理由は、今回の地震が広範囲に複数箇所の震源によって発生したからだろう。
   ウィキペディア「東北地方代併用沖地震」には、3回の地震が発生した、と記述されている。3回の地震で7回の津波というのは、理解できない。

2)チリ津波 出典:ウィキペディア「チリ地震(2010年)
 @発生時刻・地震の大きさ・震源地
   2010年2月27日 モーメントマグニチュード8.8 震源地:チリ中部沿岸
 A津波(推定)
   陸前高田市:1.9m 気仙沼:1.8m   
 B気象庁発表
   2月28日大津波警報(3m予報) ※大津波警報は1993年7月の北海道南西沖地震以来
   その後、段階的に津波警報、津波注意報へ切り替えられ、33月1日すべて解除された。
   津波の予測が過大であった事、警報・注意報が長引いたことを謝罪した。
   ※このように当初の大騒ぎが、最後は漁業被害だけに終わったことが、
    今回の平成津波に対する「また虚報」か、との油断をもたらしめたケースもある。(p45)

3)チリ地震・津波(p64)
 @発生時刻・地震の大きさ・震源
   発生時刻:昭和35年(1960年)5月22日午前3時11分 マグニチュード9.5 震源:地理
 A津波
   被害:142名
 ※東北大震災は、この地震・津波から51年経過して発生した。
  「未曾有と想定外」(畑村洋太郎著)によると、記憶の減衰には法則性があり、60年経過すると地域がその災害のことを忘れてしまうとある(p19)。忘れなかった自治体・学校は被害が少なかったが、多くの自治体・地域は忘れてしまい、大きな被害を受けてしまった。

4)昭和津波(p65)
 @発生時刻・地震の大きさ・震源
   発生時刻:昭和8年(1933年)3月3日午前2時30分 マグニチュード8.1 震源:釜石市東方沖合い200km
 A津波
   三陸地方で約3,000人の被害
   最大遡上高さ:岩手県大船渡市28.7m


5)明治津波(p59)
 @地震の大きさ・震源・発生時刻
   マグニチュード8.2~8.5 震源:釜石市の沖合い200km 発生:明治29年(1896年)6月15日 
 A津波
   宮古市田老地区:14.6m 
   山田町船越:10.5m
   大船渡市三陸町:22.4m
   綾里(遡上高さ):38.2m
 B人的被害  死者・行方不明者 2万1,959人

6)貞観地震(p16)
 @地震の大きさ・震源・発生時刻
   マグニチュード8.4 震源:  発生:貞観11年(869年)
 A津波
   平成津波と同じ位内陸に到達したと推定されている。

   
《参考》
「津波災害は繰り返す」箕浦幸治氏(東北大学大学院理学研究科教授 専門:地質学及び古生物学)
http://web.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/manabi16/mm16-45.html
1)約1000年に一度大津波が繰り返した
  仙台平野の表層堆積物の分析によって、3000年間に3度、津波が遡上したと試算された。
  800年から1100年に1度発生したと推定された。
  ※下記の貞観津波から1242年経過している(昨年2011年)。貞観津波と同程度の大津波が起きてもおかしくなかった。
  ※地震発生周期については、政府の地震調査委員会が2011年11月24日、約600年周期で海溝型地震が発生していると認定した。《出典》ウィキペディア「東北地方太平洋沖地震」

2)貞観津波(貞観11年869年)の数値的復元
  仙台平野の海岸で最大で9mに達する到達波が7,8分間隔で繰り返し襲来したと推定された。
  

2.事前の防災の仕組み・設備・教育・訓練
1)防災の仕組み
  @避難場所の設定(ハザードマップ)
    事前に設定されていた避難場所が被災してしまった。
    釜石市の死者・行方不明者の86%がハザードマップで津波到達想定外の区域で被害にあった。【メモ3】
    →自治体で作られている津波到達想定を鵜呑みにしてはいけない。
      想定が、過去の最大地震を元に作られたかどうかを確認しなければならない。
      ※ここまで考えるのは、一般的には難しいことと思う。津波に相当関心を持っている人ならば、考えるだろうが。
       自治体が想定を行う時に、過去最大の津波に対して避難場所を設定する必要がある。

2)防災設備
 @防潮堤
  ・釜石市の防潮堤が津波で崩壊した(想定ミス、設計ミス?)  
  ・宮古市田老地区:高さ10m 総延長2.4km(p49) 昭和津波の後に設置
    住民の中には、防潮堤を過信して、避難しなかった人も居た。
    ・岩手県普代村:15.5m高さの防潮堤を総工費36億円で作った。(昭和43年) 3,000人の村人を救った。(メモ33)    
 A避難通路の設置
  ・岩手県大船渡市越喜来小学校(教訓8):高台への非常通路を2010年に400万円で設置した。この通路が今回役に立った。

3)児童の避難システム
 @災害時に保護者が児童を引き取るというマニュアルは、誤り。児童・親は別個に避難するべきだ。
   ・津波発生時にはこのマニュアルが裏目に出て、親と一緒に自宅に向かった生徒に犠牲が多かった(教訓2)
   ・宮城県山元町私立ふじ幼稚園:送迎バスで保護者に引き渡そうとして遭難した。(教訓10)

4)津波に関する教育・訓練
  ・月に一度は300m離れた高台への避難訓練をしていた。(釜石市私立保育園)(教訓3)
  ・津波の怖さについての教育が不十分:一度高台に避難した後、寒さの中での子供の体調を心配して自宅へ戻り遭難した。(教訓3)
   ※津波が何度も押し寄せると言う話は、今回この本を読んで初めて知った。3月の報道では頭に残らなかった。

5)避難用具の準備(教訓14)
  ・ポケットの多いジャケットに、キャンディ、ナッツ、ティッシュを入れておく。
  ・リュック:ラジオ、懐中電灯、軽食、ペットボトルの水、手袋、ゴミ袋、下着、ホッカイロ、マスク、医薬品、ヘルメットなど


2.災害時の情報伝達
1)津波の高さ
  ・過小な津波高さがラジオで報道された。その結果、多くの住民が只越にある5mの堤防立浪を止められると思った。
    岩手県で3m、宮城県で6mと過小なデータが報道された。
   → 津波高さの精度を向上させる努力が行われている。
     出典:読売新聞2012年2月28日夕刊

  ※この津波高さ測定の精度不足、もしかすると、関係先の間では以前から分っていたのではないだろうか。しかし、今回のような巨大な地震が起こり大津波が来ることを予見できず、精度不足を放置していたのではないだろうか? 必要性は分かっていても、緊急性が無いと判断されれば予算が割り当てられない、と言うことではなかったろうか。この現象は、いわば、「社会から(大津波事象が)消えてしまった。」(『未曾有と想定外』畑村洋太郎著)と言うことかもしれない。

2)安否確認
  ・家族同士の安否確認のために携帯電話を使うこと、遠隔地の家族・親族からの安否確認が、避難動作を遅らせてしまう。
   ※家族の安否を確認したいと言う心情は、誰にもあることだが、津波からの避難は時間との勝負であることをしっかりと認識しておくことが大事だ。(教訓8)

3.避難
1)避難の空振り
  過去に津波警報が出された時、実際に起きた津波の高さが0.5m程度だったことがある。
  今回は、この経験が「狼少年」の心理として働いたのかもしれない。(教訓38)
  ※空振りに終わった津波警報での避難は、避難訓練を行ったと考えると良いかもしれない。
   避難に要した時間などを反省するなど。
2)車による避難
 @渋滞で逃げ遅れた(教訓30)
 A鉄道の遮断機が下りて逃げ遅れた(この本ではなくNHK報道より)
3)避難後
 @寒さ対策
   宮城県東松島市野蒜小学校:津波に濡れて寒かったので「野蒜小ファイト」と声を掛け合って励ました。
   宮城県南三陸町戸倉小学校:キャンプファイヤーと歌を歌ってで寒さを凌いだ。

4.判断・機転
 危機的な状況では、状況を的確に判断して機転を利かせた行動が自分及び周りの人々の命を救う。
1)状況判断で、避難後、指定避難場所から更に40m高い丘の上へ避難して助かった。(岩手県山田町船越小学校)
2)指定避難所から更に奥の高台に避難した。(釜石市釜石東中学校、避難所の裏手の崖が崩れそうになっているのを見て)  


(「災害」の定義)
この本を読んで、言葉の定義を考えた。

第13章21世紀の災害論(p178)に述べられている、広辞苑(岩波書店)の「災害」の定義はかなり適切だと思う。
「異常な自然現象や人為的原因によって、人間の社会生活や人命に受ける被害」
つまり、原因が自然と人間で、結果が社会や人命だとを分けて説明している。

手元にある「大辞林」(三省堂、松村明編、第2版 注)第1版は1988年発行)によると次のように定義されている。
「地震・台風・洪水・津波・噴火・旱魃・大火災・伝染病などによって引き起こされる不時のわざわい。また、それによる被害。
この定義には、広辞苑にある人為的原因が含まれていない。

「災害」は、「災」と「害」に分けられる。
漢和中辞典(角川)によると、「災」は、次のように定義されている。
1.わざわい、さいなん
2.大火事
3.しぜんにおこるわざわい

同じ辞典に、「害」は、次のように定義されている。
1.そこなう、こわす、きずつける
2.さまたげる (妨害)
3.わざわい、さわり (災害)
4.防ぐのに都合が良く、攻めるのに難しい所 (要害)

文字の形からすると「災」は大火事を表わすようだ。「大火事によって人命や財産が損なわれる」というのが、字義通りに捉えた定義となるだろう。上に述べた広辞苑の定義は、これを敷衍した定義となっている。
あえて言えば、社会生活より人命の方が尊いので
「異常な自然現象や人為的原因によって、人命や社会生活が受ける被害。」
と言った方が適切だと思う。


(保険による経済的被害の軽減)
津波で被害にあった沿岸地区は生活の利便性が高いので、津波を心配しつつも沿岸地区に住居を構える人が多い。そこで、災害保険、生命保険は高台に住む人よりも、保険掛け金を高く設定されるようになるだろう。



《目次》
はじめに
第1章 助かった子供たち
第2章 生き残った家族
第3章 津波に流された人たち
第4章 高台に避難した人たち
第5章 屋上に逃げた人たち
第6章 車で避難した人たち
第7章 救助された障害者
第8章 避難を呼びかけた人たち
第9章 船で津波にあった人たち
第10章 鉄道に乗っていた人たち
第11章 津波に襲われた仕事場
第12章 福島原子力発電所の教訓
第13章 21世紀の災害論
おわりに
参考資料
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